配当金とは
配当金とは、株式を保有している投資家に対して企業が支払う利益配当のことです。1株でも企業の株式を持っていれば、あなたはその企業の株主でありオーナーです。その企業に対し、出資比率に応じた様々な権利を持つことになります。ただし一般的に個人投資家の場合はごくごく少数の出資比率となり、実質的には経営には関与できないため、保有している株が値上がりした時に売却したり、配当金や株主優待を目当てに投資することになります。
このうち配当金とは、企業が利益を出した際に、その一部を株主に分配するものです。配当金は、株価の上昇や下落に関係なく、株主総会によって金額が決定します。
配当金は、投資家にとって重要な収入源です。そのため、企業が積極的に配当金を支払っている場合、それは企業が健全な経営をしていることの証明となり、配当利回りが高い銘柄は、投資家からの注目度が高くなります。しかし、あくまで利益の分配ですので、企業の業績が悪化した場合や、将来に向けた投資資金を必要とする場合には、配当金が減少またはゼロということもあり得るため、注意が必要です。
配当金の受け取り方
配当金を受け取る権利を得るためには、「権利確定日」の2営業日前、「権利付き最終日」に株を保有していることが必要です。例えばある月の31日(金)が権利確定日の場合、2営業日前の29日(水)が権利付き最終日になります。もし31日が月曜日の場合、直前の土曜日・日曜日は営業日でないため、2営業日前は27日(木)になります。営業日は株が売買できる日のため、祝日も営業日から除く必要があります。
企業によっては年1回の配当でなく、年2回以上の配当金を出していることもあります。一般にその企業の配当金を言う場合は、1年にもらえる総額を指します。
配当金の受け取り方には次の4通りあります。
- 株式数比例配分方式
- 各証券口座に保有する株式数に応じて、証券口座で配当金を受け取る方式です。NISA口座で配当金を非課税にするためにはこの方法を選ぶ必要があります。
- 登録配当金受領口座方式
- 複数の証券口座がある場合でも、保有銘柄全ての配当金を一つの銀行口座で受け取る方法です。
- 配当金領収証方式
- 自宅に郵送されてくる配当金領収証を郵便局等で現金に引き換える方式です。
- 個別銘柄指定方式
- 保有銘柄ごとに配当金を振り込んでもらう口座を指定する方法です。
株主優待との違い
企業によっては、配当金に加え、株主に対して特典を提供しており、株主優待と呼ばれます。代表的な優待内容はその企業が取り扱っている商品やサービスの優待券です。保有する株数や期間に応じて内容が変わるケースもあります。受け取りには、配当金同様、権利付き最終日に株を保有していることが必要です。
配当金を重視する投資スタイル
配当金とは、企業が利益を出した際に、その一部を株主に分配するものです。そのため将来に向け積極的に投資を行っている企業よりは、市場で一定の地位を築き、収益が安定し、大規模な成長投資を必要とせず、株主に高い配当金を出す余裕のある成熟した企業が多く、投資先として名の知れた安心感のある銘柄が多くあります。一方で、将来に向けた投資をしてもこれ以上の大きな成長が見込めないことから、手元の利益を株主に還元することを優先しているケースもあり、この場合、その企業は衰退を始めている可能性があることから、見極めが必要です。
有名な例として、IT企業として世界的大手のAmazonは、配当金を出していませんが、株価は過去から100倍以上になっており、株価の上昇によって株主に還元をしていると言えます。但しAmazonでさえ、常に株価を伸ばし続けてきたわけではなく、上がり下がりを繰り返してきました。そのため、もしAmazon株の値上がりを期待して株を買った場合は、人によっては日々の価格の上がり下がりに一喜一憂することになります。
配当金を重視する投資スタイルは、日々の株価の上がり下がりを心配することは比較的少なく、配当金を期待して待つ、ということができます。例えば本業が別にある方にとって、日々の株価を追うことは一定の負担になり、株価が急落した場合等には、心配のあまり本業に手が付かないということにもなりかねません。高い配当金を出しつつも株価上昇を実現する素晴らしい企業の株を持つことができれば、一旦買った後は株価を見ずに放置しても、チェックした時に株価が下がっていることは少なく、そして時々配当金がボーナスのように入ってくる、といったスタイルを実現することができます。受け取った配当金は現金のように自由に使えることができるので、将来のために株に再投資にしても、お小遣いの足しにして今の生活を充実させることもできます。
管理人個人の考えでは、株価上昇を狙った成長企業への投資には、企業研究にそれなりの時間を費やす必要があったり、日々の価格変動に気をとられ、Amazonのような超一流企業でも株価下落がある位ですので、それにもめげずに株価上昇を待つストレス耐性や適切に損切を行う判断力が必要になります。一方、高配当狙いであれば比較的にそのリスクが小さく、銀行口座に資金を寝かせておくよりは割のいい資産運用と捉えることができると思います。また株主優待だと優待内容がその企業のサービスに限定されることが多く、また近年は廃止や縮小の傾向も見られることから、あまり株主優待に拘らず、自由に使える配当金を重視した方が良いと思っています。
いずれにせよ株式投資には、人によって目指すことろや好みのスタイルが異なりますので、上記はあくまで参考として考えて頂ければ幸いです。
税金について
配当金にも税金がかかることがあります。配当金にかかる税金は人それぞれなので 次のページ で解説します。